ぎっくり腰と鍼灸　その２

ぎっくり腰は、何か形の変化をさしているのではありません。急に起きる強い腰の問題をまとめてぎっくり腰といいます。

問題を出しているのは、腰にある組織ですが、それが目に見えてどうというのではなく同じようなパターンの腰の問題の出し方をするものをそう呼んでいます。

欧米ではその急に動けなくなる状態をさして「魔女の一撃」などとも言われています。

 よくきつい時は、腰のところをグイグイやったり、ストレッチで伸ばしてみたり、まるでそこに悪い物があってそれをやっつけると良くなるような考えを持ちますが、その様な時はやはり無理せず傷めないようにした方が経過も上向きになり早く変わってくるものです。

トレーニングもそれは同じで、辛い時には、無理をせず安静にしているのが一番です。トレーニングというのは、予防のためにするのであって状態の落ちている時に行なっても偏った体の使い方しか出来ず逆に足を引っ張るような事にもなりかねません。

もしストレッチをやる時も力を抜きゆっくりとまんべんなくやるのがベストであまりどこか特定のものというのではなくゆっくり大きく行なっていくのがコツになります。

実際には、仰向けに手足大きく伸ばすぐらいでも十分です。仰向けになれないという場合は、横向きでも座ってでも良いので息をゆっくりとはいて手足を上と下に伸ばしていくようにしましょう。なるべく力は抜いて無理のない範囲でこういう動きを繰り返して下さい。

辛い時は、グイグイと追い込んでやりたくなるものですが、その様な時こそゆったりと少しずつ腰をほぐしていく事が重要です。

 ぎっくり腰を起こした方が共通して言われるのが「腰が曲がらない」「腰が伸びない」といった問題です。腰は、身体の中でも特に前後の動き、身体の曲げ伸ばしといった働きを得意としています。

その為、腰のところに問題が出ると身体の曲げ伸ばしが出来なくなり、仰向け寝やうつ伏せ寝はもちろん、洗面動作が出来ない、靴下や靴を履けないといった事が起きてくることになるのです。

ぎっくり腰の特効穴（ツボ）として有名なものに腰腿点（ようたいてん）というものがありますが、これは腰では無く手の甲にあります。

施術でも腰で来たのに何で手にはりをされるのか不思議に思う方がいらっしゃいますが、このツボは腰ともものに効くツボと書くぐらい反応が出やすい腰の施術のツボになります。

実際に肘や膝から先というのは、反応の出るツボが多く、腰だけでは無く色々な事で合わせて使っています。

実際に辛いところというのは、その場所も一杯一杯であまり意味のある反応を示さず、やってみてもそれほど上手くいかないという事がよくあります。

皆さんもツボを選ぶときは、手足にあるツボを組み合わせて使い、本当のツボの力を引き出すようにして下さい。