不妊　その４

子宮はエストロゲンからプロゲステロンとそれぞれのホルモンがタイミングよく分泌される事で整えられます。

生理の後、エストロゲンによって子宮内膜がだんだんと厚くなっていき排卵した後にその環境を維持するプロゲステロンに引き継がれます。

着床する為にはそれぞれのホルモンとそれを受け取る体がしっかりと働いている事が必要です。

上手く着床させる為には、子宮内膜が厚くなっている事、卵子が育ちしっかり排卵される事、体温が上がり子宮が着床しやすい状態になっている事などどれも大切で生理の後から少しずつこれらの事を積み上げていく必要があります。

人工受精や体外受精をする時にはこれらのホルモンを薬でコントロールしていく事がありますが、体が受け付けなければ色々な症状を出したり、あまり反応しなかったりして中々上手く準備が整わないものです。

受精卵を上手く着床させる為には、それぞれのホルモンがタイミングよく出る事と、それに反応して子宮の状態がしっかりと整う事の二つが必要になります。受精のタイミングまで一つ一つしっかり進めて行き最終的に着床に辿りつける様普段から体の状態を整えておく事が重要です。

プロゲステロンは、排卵後から分泌量が増える妊娠準備の為のホルモンです。エストロゲンの作用で厚くなった子宮内膜を安定させ、体温を上げるなど受精卵が着床しやすい環境を作ります。

このホルモンは、妊娠の準備をするだけでは無くエストロゲンとともに生理前のイライラや腰の痛みなどにも関係しており、東洋医学ではこれらの問題に対して主に肝のツボを使って施術をしていきます。

不妊と言っても腎だけでは無く体に合わせたツボの取り方をする事が必要です。

不妊というと東洋医学では腎の問題がよく言われますがPMSなど生理に関係する問題には肝のツボが適している事が多いので所見に合わせ上手く組み合わせていきます。

不妊と言っても人によってそれぞれで、生理が上手くこない、経血がなかなか止まらない、採卵が出来ない、着床しないなど悩みが違います。はりは決まった事をするのではなく問題にあわせてツボを変え体の働きを引き出していきます。

何か一つの問題だけを考えるのではなくそれぞれの関係を考えバランスよく体を整えていくという事が大切です。

エストロゲンは子宮内膜を厚くして子宮の状態を整えるだけでは無く排卵や月経にも関係する女性の体にとって大切なホルモンです。

エストロゲンは更年期障害などにもかかわるので少なくなるとのぼせやほてり、過剰な汗などの更年期特有の問題を起こします。

何をするにも基本となるのはしっかりとした体作りです。

東洋医学ではこれらの症状を腎の問題として捉えるので不妊のはりをする時は、体に出ているのぼせや汗、その元となる足の冷えなどをよく観察し進めていきます。

不妊で来る方の中には、既に体外受精などでホルモンの調整を行なっている方がいますが、その様な場合でも思うように効果が出なかったりそのことで新たな不調が出るという事もあるのではりはそれを含めて体の調子を整えていく事になります。

はりは、ただ何か一つの為だけというのでは無く自然治癒力を高める事で問題解決をはかります。現状をよく見て今必要なツボを使っていくという事が大切です。