股関節　その５

お尻にある筋肉は股関節につくので股関節の悪さがお尻の痛みとなってあらわれる事もあります。

痛みの出方はジリジリと鈍く出る事もあれば腰や足の方に広がって出る事もあり、あまり股関節が悪いと思わないような事もあります。

ただ腰が痛い時と違ってお尻が中心に痛みが起こったり足の動きによって痛みがひどくなったりするのでそういう点で腰の問題とは違ってきます。

お尻の痛みは東洋医学では膀胱経（ぼうこうけい）の問題として考えます。この経絡(けいらく)は体の後ろを足から頭まで通っているのでここに問題がある時はお尻の痛みに加えて背中の張りや首のつまり、頭がぼーっとするなどの問題も出しやすくなります。

状態を良く観察して痛みにあったツボを使う事が大切です。

他にも診察をしてみて膀胱経のところに異常な所見が出ていたり頻尿や頭痛などそこに繋がる症状がある時にはここの問題を疑います。

最終的に膀胱経の問題があると判断した時はお尻だけでは無くはかかとの外側やふくらはぎにある膀胱経のツボを使って気の流れを整えます。

経絡を使って施術をする時は同じ股関節の問題があるといってもどこに痛みがあるのかで使うツボが変わります。まずは痛みがどういうものなのか自分の体を観察してその状態をよく伝えるという事が大切です。

一水堂に来る方の多くがこの様な訴えをされます。

色々と動く症状というのは、どう理解して良いか分からず、施術者や周りの人に対してもどの様に説明して良いのか分からないものです。

しかし実際の問題の出方というのは一つだけの問題が変わらずに出続けるという事の方がまれです。

体が弱っている時は、色々な所が悲鳴をあげ、訴えを出します。そして、その状態から抜け出せなければ、一つ良くなっても次の所とぐるぐると辛くなるところが変わっていきます。

その場その場の問題に振り回されず、体全体を良くする事を考える事が重要です。

これは、一つの所が悪いというより、その人の体全体の力が落ちているからで、その場所だけを何とかしようと思っても中々安定させる事が出来ません。

弱い所は外からの影響を受けやすく何かというとすぐそこに問題を出しますが実際に悪くなっているのはその部位を含めたその人全体です。

体の問題というのは、ただの部品の修理という訳にはいきません。その場その場の問題に振り回されず全体的にも健康になれるようにしていく事が重要です。

体の痛みといっても痛みの強さがどうしよも無くなったり内臓など色々な所に影響が及んで命の危険がある様な場合は手術をしなければなりません。

しかしそれで取り切れなかった痛みやその後新たに出てきたものというのは普通に起こった痛みより厄介で元の状態の時より取れにくくなっている事がほとんどです。

手術した後の体というのはあいだに人工のものがはいりバランスを取るので動きや力の伝わり方が不自然でぎこちないものとなります。

問題を乗り越えられる様に内側からの力を高める事が大切です。

上手く定着して何も起こさないのが一番ですがそう上手くいくものばかりでもありません。

一度手術すれば、またそこをすぐという訳にはいかないものです。体をよく整え自らの力を高めて問題を乗り越えていくという事が大切です。