めまい

めまいは、日常生活の色々な事に影響して仕事や生活を制限します。

実際のめまいは頭を動かしたりストレスがかかった時といった時だけというのでは無くその日の体調にも左右され少しの事にも反応してその人を悩ませます。

特に薬を使ってもあまり良くなっていかない様なものは長引く事もあり目や耳にある平衡器官だけでは無く全身広く調整していく必要があります。

めまいのある時に使うツボの一つに中封(ちゅうほう)というのがあります。

このツボは足にありますがめまいに良くうまく体に合わせて使う事で効果をあげる事が出来ます。

常にある様なふわふわしためまいでは無く目の回るような強いめまいの時に反応を出す事が多いのでそういう時に反応をみて使っていきます。

ツボをよく選んで反応のある所を使う事が重要です。

ただこのツボも全てのめまいに効くという訳では無いのでツボの反応が出ているかを事前に確かめて体に合わせて使っていく事が重要です。

使う時は普段とはりの固さを変えてみたりはりをする方向を変えてみたりしてその反応に合わせたはりのやり方をし上手く体に合う様にしていきます。

めまいのツボは沢山ありますが実際にはその人の体質や症状の出方でツボの反応は変わります。上手くツボの反応をとらえ全体で一つになる様にツボを組み合わせていく事が大切です。

他の色々な症状と同じくめまいも東洋医学では今の医学とは違う考えで体を整えていきます。めまいは、五臓の中では肝にかかわりが深くここに問題がある時にめまいが起こると考えられます。

古典にも「太過なれば則ち人をして、よく忘れせしむ、忽忽として眩冒して癲疾す…」（素問、玉機真蔵論篇第十九）とあり、その気が過剰になれば、頭がくらくらとして物をみると目がくらむ様になると説明されています。

数値が引っかからなくても問題が無い訳ではありません。

鍼灸でいう肝の障害は、今でいうアルコールによる肝臓の問題や脂肪肝などとはまた違うので、ストレスからくるイライラや目の疲れ、頭痛や不眠といったものと一緒になって表に出てきます。

実際の訴えを中心に体を考える鍼灸では、めまいを目や平衡器官だけの問題とせず体の中の色々な事と関係していると考えます。数値に引っかからなくても体に問題が無い訳ではありません。訴えをよく聞き体にあった施術を受ける事が大切です。

鍼灸では、体は常に動いていると考えます。その中でバランスを崩しているのが今の状態になるので何か体の中の悪い組織にはりを刺すのではなく上手く神経の調整の出来るツボを見付けてはりをする事を考えます。

最近では、生活環境や取れる食材なども技術の進歩によって何でも一定に保てる様になってきています。部屋は冷暖房で一定に保たれ、野菜は季節を問わずスーパーで売られるなど色々な事に影響されずに生活出来る様になっています。

数値では無く体をしっかり見てツボを選ぶ事が重要です。

これは外の事だけでは無く体の中の事でも同じ様に正常な検査数値、胴回りや体重をもとにした健康的な体つきと何でも一定である事が大事にされています。

しかし実際には体は新陳代謝を繰り返し常に入れ替わっていてその上でバランスを保つように出来ています。その為内や外の変化に合わせ日によってはお腹が緩くなったり頭が痛くなったり少しずつ揺れ動きながら状態を維持しています。

鍼灸はそういう実際のバランスに注目した施術方法なので来た時には毎回体をよく診て少しずつその人の体の状態に合わせたはりが出来る様にツボを絞り込んでいきます。

実際の体は数値だけでは計れません。健康を考える時は常に変わる体の状態に合わせて上手く体調を管理をしていく事が重要です。