めまい　その5

めまいといっても症状の出方も悩まされている期間も違います。「去年から出て今でも真っ直ぐ歩けない」という事もあれば「朝起きた時から揺れている様な感じがする」という様な事もあります。

症状も「グルグルして目が開けていられない」とか「右や左の一方に引っ張られる感じがする」など様々です。その為施術するにはどの様な感じなのか初めによく聞いておく必要があります。

全体の調子も聞いていきます。

特発性のめまいやメニエールなど病名がついていても訴え方は違うので、どういう時に、どういった事があるとひどくなるのか、食欲、睡眠、便通など体調との関わりはどうかなど実際の施術では細かく体調を聞いていきます。めまいは背後に自律神経の問題が隠れている事が多いのでこの様な事を確かめておく事が大切になります。

使うツボもその時の体調やストレスのかかり具合、生活リズムの乱れ、不眠や暴飲暴食など色々な事を考えにいれて決められるのでめまい中心の組み合わせではなく体質的な事が一番に考えられたものだったりストレスの様な事を重視したツボの組み合わせになる事もあります。

体の変化に合わせてツボの組み合わせも変えていきます。

また一度ツボを決めてもずっとそのツボでいくというのではなく寒さで手足の冷えが強くなってきたらそれに合わせてツボの組み合わせ方を変え症状の出方が弱くなってきたらまたそれに合わせるなど体の状態に合わせてツボを変えていきます。

人の体は常に入れ替わっています。体に合ったはりをするには、めまいのツボという事だけでは無く状態に合わせて上手くツボを使っていく事が重要です。

めまいにも色々あり、体が弱ってでるものもあれば、比較的体力があって症状も強く出す様な事もあります。

体が弱って出るめまいは、長い事体の調子が悪かったり食事の不摂生が続いていると起こりやすく、耳鳴りや脈の乱れ、お腹の問題なども併せて出したりします。めまいの感じはそれほど激しくなくてもじわじわと抜けにくく長く続きやすいので注意が必要です。

同じめまいでも人によって使うツボは異なります。

一方で体力があって抵抗する力の強い時のめまいは症状の出方も強く捕まっていないと立っていられなかったりベットから起きてトイレにいくのも大変になったりします。この様な時は同じめまいでも問題が大きくなるおそれがあるので早目の対処が必要になります。

鍼灸では、体力が落ちて起こしているのを虚（きょ）のめまい、体力のある人のを実（じつ）のめまいと分けて考え施術をしていきます。それぞれ使うツボもはりの素材も変えて行うのでめまいと言ってもずいぶん違うものとなります。

ツボは、ただ押すだけで効くのではなく、このように体質に合わせた使い方という事が大切になります。体をよくみて自分にあったツボを使う事が大切です。

めまいというとメニエールや起立性のめまいなどをまず考えますが実際にはそれだけでは無くはっきりした原因が見つからず神経の働きが上手くいかない為に起こる様なものもあります。

ただ出されたものを飲んでいれば落ち着いていくというものばかりではありません。

実際には、めまいと一緒に冷や汗や吐き気、頭の重さなどの症状を起こす事もあり、他とのバランスも上手くとっていかないといかない事もよくあります。

微妙な調整が必要とされる神経の働きは、検査の数値や画像には出てきません。原因を追い求めるだけでは無く目の前の体の状態をよく観察し反応に合わせて上手く体を整えていく事が大切です。