首　その３

首のレントゲンをとると骨が変形しているとかトゲが出ているという事を言われたりします。この骨に神経が触れると痛みを起こしたりしびれをだしたりします。

首の痛みを訴えて鍼灸院に来る方の中にもこの様な問題を抱えている人がいます。

骨が変形しているとはりで何とかなるのだろうかと思うかも知れませんが、はりは自然治癒力を高めてこの状態から抜け出す事を考えるので同じ首の痛みでもみるところがまた少し違います。

ツボをとる時もその事を第一に考えるので首の変形だけでは無く食欲や睡眠、便通といった基本的な事からストレスや生活習慣など様々な事を聞いていきます。

骨の変形の様に長い間時間をかけて悪くなってきたものはしっかりとした対策が必要になります。自然治癒力をよく働かせ痛みの悪循環から早くに抜け出す事が大切です。

痛みを起こした時にまず考えるのは、その問題を起こす事になった原因です。

疲れがあったのか、ストレスが関係しているのか、暴飲暴食などの生活習慣が関係しているのか人によって色々な事が考えられます。

首の痛みに対するツボはネットを調べると色々出て来ますがどれが効くかという事だけでは無くその効果が発揮出来る状態かという事も大切になります。

例えば首の施術をする前にストレスによる神経の高ぶりを抑えるとか、痛いままで疲れている筋肉に栄養がいく様なツボを使うなどです。その上で首回りのツボを使うと体が受け入れそのツボの効果も発揮されやすくなります。

いくらそのツボが良いといってもその力が十分に発揮されていなければ思うような効果は上がりません。自分でツボを使う時も押して痛い様な局所のツボだけでは無く体の必要としているツボを上手く組み合わせ体の力をうまく引き出す事が大切です。

よく首のこりのひどい人は、首の前や横の辛さを訴える事があります。

首のこりの多くは肩や首など背面の筋肉に起こりますが中には首の横や前の方も凝るという方がいます。

この場所は中に自律神経や動脈など大切なものが集まっているのであまり強くやると痛みが出たりめまいや吐き気などの症状を起こす敏感な場所でもあります。

経絡治療(けいらくちりょう)では、ここの問題がある時は、胃経（いけい）といって足から繋がるツボの流れを使います。この様な敏感な場所の場合は首の問題であっても足のツボを使って首の状態を整えていきます。

首の前のこりは、遠くのツボを使うなどして慎重に整える必要があります。

首なのに足と思うかも知れませんがツボは、手や足など末端に近づく程効果が高くよく体を整えてくれるのであまり無理にこの様な場所のはりをするより上手く合わせて体を整える事で無理なく体を楽にする事が出来ます。

ツボというのは一つだけでは無くお互い関連しあって働いています。関連するツボを上手く見つけ丁寧に首の状態を整えていく事が大切です。

首は、他の筋肉に比べ精神的な問題を反映しやすい場所です。首には、他の筋肉と違い直接脳からの神経がきているので疲れや緊張など頭で感じた問題がそのまま体にあらわれてきます。

その為、特に力を使わない様な会議やじっとしていなければならない場面でも緊張感を持っているというだけで肩こりなどの問題に繋がってきます。

またこの様な事は凝りをひどくするだけでは無く自律神経にも影響して頭痛、めまい、耳鳴りなど様々な問題の元にもなります。

ストレスは色々な所に問題を起こしますが首肩のこりはその中でも身近で起こりやすいものです。気分転換やストレス発散出来るものなどを上手く取り入れ首肩のこりがひどくならない様にする事が大切です。