骨盤　その４

骨盤の歪みと気の滞り、2つは全然違うものの様に思いますが、人はどちらからのアプローチでも健康になる事が出来ます。

鍼灸で気の流れの悪い所を流してもらい体調が良くなったのに、骨盤の歪みだけは取れず頑固に残っているという事はありません。

全てをどうにかするのではなく自分の体の合った方法を見つける事が大切です。

これらの問題は繋がっているので進んでいく時は一緒に変わっていきます。健康になっていく時は色々な所を巻き込んで動いていくのです。

だいたいどの方もいろいろなものを受けてこられるものですが、全てを正そうとしていては、体はくたびれ、余計に問題を悪くします。

全てを変えるのではなく、自分が楽になれるもの見つけてそこを糸口に健康になっていく事こそが大切なのです。

骨盤というのは、体から足に行く一番元の部分になるので腰から出た神経も必ずここを通ります。

太ももの前面にいく神経は股関節の前のそけい部を通り、足や太ももや足の方に行く坐骨神経（ざこつしんけい）は、お尻のところから下に伸びて行きます。

足に痛みがある場合は腰だけでは無く骨盤の状態も確かめる事が重要です。

よく足が痛んだりしびれたりするのはこの坐骨神経が関係しているからで腰や骨盤の所でこの神経がやられると足の広い範囲に痛みが起こります。

坐骨神経痛というと腰椎症やヘルニアなど腰の問題がまず思い浮かびますが、お尻の奥にある梨状筋で神経症状が起きている事もあるので骨盤に対しても注意が必要です。

また、ももの横や裏側の痛みは、神経だけでは無く筋肉が元で起きているものもあるので坐骨神経痛を疑う時は、神経だけでは無くこの様な筋肉の問題も頭に入れて痛みを考える必要があります。

骨盤は、骨格だけでは無く筋肉や神経が入り組んだ複雑な場所です。良く状態を観察して的確なツボを選ぶ事が重要です。

出産の時は、靭帯が緩み骨盤が開く様になります。しかしその後上手く回復しないと体型の崩れに繋がったり、腰痛や体の不調の元となります。

通常であれば元に戻り何の問題も出ないのですが、強い冷えがあったり、元々の体調が良くないとこの様な事が起こりやすく出産をきっかけに色々な問題がでてきます。

骨盤ベルトだけでは無く、体の全体の調子を整える事が重要です。

その為出産の後は骨盤ベルトをしてこの様な事が出ない様にしますが、これもずっとやっているという訳にはいきません。

やはり体を内側から整え自分で体を支えられる様にしないと中々よくなったと思えるようにはならないものです。体調が整い背すじもスッと伸びていれば骨盤にかかる負担も少なくなります。

時間が無くて大変な時期ですが冷え対策や食事をしっかりとるなど出来る事から始めていくという事が大切です。

頻尿の一つの要因として前立腺肥大（ぜんりつせんひだい）があります。

前立腺は、膀胱のすぐ下にある臓器ですが、これが肥大して膀胱を刺激すると頻尿を起こし上手く尿を溜められなくなります。

頻尿は睡眠時間や昼間の活動時間を削るなど生活の質を落とす困った問題です。

こういう時鍼灸ではこの膀胱にいく神経を狙ってはりを行いその興奮を抑えるという方法を使う事があります。膀胱にいく神経は、骨盤の真ん中辺りにある仙骨（せんこつ）から出ているので、そこを目安にはりを入れ目的となる場所を探っていきます。

頻尿というのは腰痛や肩こりのように分かりやすいものでは無いのではりをすると言ってもどうするのかイメージがわきにくいですが、膀胱に直接というのでは無くそこにいく神経や血流を改善する事で状態を改善していきます。

頻尿というのは、夜は睡眠時間を削り、昼は仕事の効率を落とすという厄介な問題です。頻尿は特に怖い様な病気ではありませんが出来るだけ状態を改善し生活の質を上げていく事が重要です。